NEOYAG感涙!編集長・丸野裕行オススメの「傑作Vシネマ」Best3
どうも編集長の沖雅也です。オヤジ、涅槃で待つ!
邦画好きとマニアックな知識から、映画の原作者と脚本家、プロデューサーまでやってしまったモノ好き・編集長丸野裕行です。
私の映画観に絶大な影響を及ぼした、過去のVシネマの名作(今のオールインエンタテイメントの面白くないヤクザ物とは違う)Best3について、今回は綴っていきたいと思います!
東映Vシネマとは?
東映Vシネマ=東映ビデオが1989年から制作発売をスタートした劇場公開しないレンタルビデオ専用映画の総称になります。
東映Vシネマは当初、仲村トオル、世良公則、草刈正雄、萩原健一、神田正輝、名高達男、根津甚八という有名俳優を起用するハードボイルド作品が数多く制作されたのですが、哀川翔主演の『ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅ〜』のヒットで、東映のお家芸といわれる極道物・ギャンブル系がメインになっていきました。
創世期の製作費としては、単館ロードショー作品とは同じ6000万円。そのうちで宣伝費20%。
キャストとして人気スターが出て、ビデオの売り上げが見込められればさらに増額されました。
第3位 『野獣駆けろ』
とにかくハードボイルド一色! 『朝だ! 生です旅サラダ』でおなじみの石原軍団・神田正輝がとにかくしびれるほどカッコいい!
私の『木屋町DARUMA』を正規上映作品としてDVDリリースしてもらった東映ビデオから、東映Vシネマとして製作。1990年12月14日リリースされました。全編上映時間93分の短編作品です。
ストーリー
誰に頼ることもなく、贅を尽くした自由な生活を送る元傭兵である高松は、ある日大学の友人で編集者の河合を通じ、作家である辺見俊吾からボディガードの依頼を受ける。その場では断った高松。しかし、かつて傭兵として戦った仲間・清水も同じような依頼を持ちかけられていることを知る。
その夜、高松は女連れで自宅へ帰ると、敷地内で河合が死んでいた。河合殺しと作家・辺見への脅迫事件に関連があると睨んだ高松は、清水と手を組み、辺見俊吾のボディガードを引き受けたが、凶悪な傭兵・羽澄と前川の影がちらつくのだった……。
スタッフ
原作:大沢在昌(講談社刊) 企画:黒澤満(セントラルアーツ) プロデューサー:青木勝彦 脚本:加藤正人 監督:中島紘一
ガン・アドバイザー:BIGSHOT 製作協力:東映東京撮影所、セントラルアーツ 製作:東映ビデオ
キャスト
高松:神田正輝 清水:塩見三省 ジュリア:一色彩子 辺見俊悟:南原宏治 佐伯:宍戸錠 羽澄:誠直也 前川:菅田俊
おすすめポイント
ケガをさせるために火薬の量を抜いた弱装弾や照明弾、暗視スコープ、サブマシンガン、ボウガン、ベレッタM92F、コルトガバメントなどとにかく銃器にこだわっている点が、さすが原作者が大沢在昌先生。ラストのガンファイトは非常にもっさりしているが、そこが東映Vシネマらしくていい。
第2位 『XX-ダブルエックス-美しき凶器』
またまた大沢在昌の短編小説が原作。非常に完成度の高いハードボイルド映画になっていて、大人のファンタジーといえる名作。
アルコールに溺れる女殺し屋の苦悩する姿に一目惚れしてしまう殺し屋を草刈正雄がつとめ、彼女の教育係を、村井国夫がつとめているという役者好きにはたまらない作品。
ストーリー
殺し屋を生業にする男たちをベッドの上で始末する盲目の女・宮崎ますみ。フィクサーの御落胤として育った彼女は、山中にある別荘で男たちを待っていた。社会の汚い部分を処理している裏組織に属する彼女。それと対峙する殺しを生業とするプロの男たち。
殺られるか、殺るか……。暗いベッドルームで孤独な女と男たちの危険でメロウな駆け引きがはじまる。熱く吐きだされる息、そして絡みつく汗。彼女に一目惚れしてしまった老殺し屋は、彼女を連れ、この暗い森からの脱出を試みたのだが……。
スタッフ
原作:大沢在昌「眠りの家」より(ケイブン社文庫刊)(角川文庫刊) 企画:松田 仁 プロデューサー:岡田 真/室岡信明/杉浦 敬 企画協力:長濱 治 音楽:大野雄二 監督・脚本:小水一男(ガイラ) 制作協力:M・M・I/東映東京撮影所 製作:東映ビデオ
キャスト
女:宮崎ますみ ピアニストの殺し屋:草刈正雄 始末屋:村井国夫 コーヒー屋の殺し屋:荒井紀人 殺される財務官僚:大杉 漣 フィクサー:加藤 武
おすすめポイント
小水一男の貫禄の大人の演出と、それを盛りあげる東映Vシネマ常連組の大野雄二が哀しく奏でるジャズの音色……。
血腥い中で活写される愛の話を、終盤あたりで破綻するカタチで“大人の童話”に昇華する監督の力量に思わず涙しました。
男女共々、上質のシングルモルトでも舐めながら、このハードボイルドな世界観に酔いしれましょう!
番外編
番外編傑作『名のない男 破壊!』
主演・草刈正雄の大藪春彦原作の無頼な内勤警察官の裏仕事を描いています。
なんと、売れていないときの寺島進さんや遠藤憲一さんなどが端役俳優として出演。アクションと男の美学をコミカルに描く一倉治雄監督作品。
愛銃は、コルトガバメントパックマイヤーグリップ仕様とレミントンのスライドストック仕様。仇役の相手がヤクザばかりなので、全員センスのない銃が揃っています。
番外編傑作『DOG FIGHT 野良犬たちの挽歌』
哀川翔と『ザ・ワイルドビート』『ガンクレイジー』『SCORE』の監督・室賀厚がタッグを組んだハードアクション。
組の取引のために現金輸送車の襲撃を試みた組の幹部の元に、警察の犬が紛れ込んでいたという室賀厚にありがちで、大好きなシチュエーション活劇。
東映Vシネマでも予算が削られていた中で、人員も弾丸の使用量、爆薬使用料にもこだわった久しぶりのアクション映画で大満足できるはず! 東映Vシネマ25周年作品『25-ニジュウゴ-』の鹿島勤監督の無能さに檄を飛ばすような作品です。
怒涛の第1位 『カルロス』
最強のカルトVシネマの傑作との声も高い竹中直人主演の『カルロス』。
日系ブラジリアンマフィアとして、南米で警官8人を殺して、日本へ還ってきたカルロス・シロウ・ヒラタの狂気と暴力の世界を描く。
東映Vシネマの傑作にして、きうちかずひろ監督がデビューした記念碑的作品。
ストーリー
日系ブラジリアンマフィアのカルロス・シロウ・ヒラタが母国ブラジルで警官殺人を行い国際指名手配。日本に帰ってきて、ブラジリアンパブを経営しているのだった。彼の裏稼業は、ブラジルからの拳銃密輸。
しかし、彼ら一派は、暴力団の跡目抗争に巻き込まれてしまい、それを利用しようとカルロスは画策するのだが……。
スタッフ
原作・監督:きうちかずひろ 脚本:木内一雅 音楽:大谷和夫 製作協力:セントラルアーツ/愛徳商事 製作:東映ビデオ
キャスト
カルロス:竹中直人 アメリカ人傭兵:チャック・ウィルソン カルロスの伯母:春川ますみ カルロスのいとこ:寺尾友美 総長:大木実
おすすめポイント
この東映Vシネマは、ビデオシネマの域を越え、映画として成り立つほどのレベルなんです! ベレッタをすぐに引き抜き、銃爪を絞る速さは人を殺めるためらいのなさを物語っています。かなり過激さを極めるハードピカレスク作品で、度肝を抜かれること必至!
とんでもないブラジル人の凶悪男が、仁義と任侠がはびこる日本の土を踏んでしまい、自国のやり方ですべての組織を潰しまくる快感!
日系三世カルロス・シロウ・ヒラタは全国指名手配中で、容疑は、殺人!
衝撃のシーンが連打される新感覚ハードバイオレンスの誕生です。
(C)東映ビデオ
コメント
この記事へのコメントはありません。
この記事へのトラックバックはありません。