<編集長・男の映画レビュー>『黒いドレスの女』&『実録・安藤昇侠道伝 烈火』&『XX 美しき凶器』

『黒いドレスの女』(’87/配給:東宝)

敬愛する北方謙三先生が女を主人公におき、それを取り巻く男たちの命の掛け合いを描くハードボイルド映画。

ひと言でいうと、原田知世の演技が大根。今の彼女であれば、その演技力には敬服するが、この頃はガキだ。タイトルを『黒いドレスの少女』にしてもいいのかもしれない。

そんな知世の難ありの演技に付き合わされる、この頃はイモでありきたりの演技しかできない永島敏行いぶし銀の演技を見せる菅原文太、今にも「工藤ちゃ~ん」と言いだしそうな成田三樹夫、髭もじゃでいつもの室田日出男が必死で作品を支えている。

ストーリーとしては、秘密めいた女・朝吹冽子が、数年前に変死した自分の義父が隠していた不正の金の行方を追うヤクザたちにしつこく襲われるというサスペンスチックな話。冽子を、海外への逃亡を図ろうとしている大物ヤクザと、逃がし屋などダーティーワークを生業にするバーのマスターが守る。

同時に、冽子が大事に持っている拳銃・S&Wの謎にも迫る。そこには、元新聞記者だったバーのマスター・田村の過去があった。

北方節である、いつもの男の意地と誇りの匂いは、あまり感じないものの、やはり大人のハードボイルドに仕上がっているのは、監督の崔洋一の腕なのか。

同監督作で、同じく角川映画の『友よ、静かに瞑れ』の汗と男臭さはないもののなかなか見応えのあるスピーディーな展開にも、監督の力量を感じた。

採点★★★★☆

スタッフ

監督
崔洋一
脚本
田中陽造
原作
北方謙三
製作
角川春樹
プロデューサー
黒澤満

キャスト

作品データ

製作年 1987年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 100分

提供:株式会社キネマ旬報社

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『実録・安藤昇侠道伝 烈火』(’02/配給:東映ビデオ)

内田裕也演じる関東で一大勢力を誇る広域暴力団の組長が、敵対している組のヒットマンに暗殺される。

哀しみに暮れる若衆の国定新(竹内力)は、怒りと哀しみに狂う。

しかし、やはり事を荒立てたくない組同士、手打ちの流れになってしまう。

双方の組が、国定を利用した世代交代を狙う絵図を描き、諸刃の剣のような国定の野獣の血が暴走をはじめる…。

『実録・安藤昇侠道伝烈火』はチンピラの立ち話を過剰映画化。

三池組の本領発揮で、ちょっと韓国映画に迫って最高な感じがする。

乗っけから、ジョー山中さんの最強曲で、山口祥行さんがハジけ、最後はダイエット界の暴君・美木良介さんがガイキチ対応!

三池節炸裂で、ロケンロール内田裕也が霞んで見える今日この頃。

採点★★★★★

スタッフ

監督
三池崇史
監修
安藤昇
脚本
武知鎮典
企画
安藤章
企画協力
安藤企画
製作年 2002年
製作国 日本
配給 東映ビデオ
上映時間 96分

提供:株式会社キネマ旬報社

#映画 #三池崇史 #古川豪 #竹内力 #遠藤憲一 #丸野裕行 #木屋町daruma

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『XX 美しき凶器』(’93/配給:東映)

妖艶な女優たちが続々登場し、見事な裸体をさらけ出して危険な女を演じる『XX』シリーズの第一弾は、恐ろしいほどハードボイルドに染まった、僕の人生ベスト3にランキングされる映画だ。

それが、宮崎萬純と草刈正雄のW主演の『XX 美しき凶器』である。

ひと言で言えば、血と銃弾に染まった“大人たちのおとぎ話”と言える。

原作は大沢在昌の短編小説

この作品は、大沢在昌の短編小説『ゆきどまりの女』が原作。良質のハードボイルド映画として、非常にうまくまとまっている。

殺しを生業にする男たちをベッドに誘い、始末をする盲目の女を演じているのが、宮崎萬純。
彼女は、政財界のフィクサーの御落胤として生まれ、山深い森の別荘で孤独に暮らしている。

そこに、仕事の秘密を知った男たちが招かれ、女を抱くように指示される。相手も、この女を殺そうとしているということだ。

殺るか殺られるか、の緊張感が張り詰めた性行為。彼女は、次々と仕事をこなしていく。

草刈正雄が中年の飄々とした殺し屋を演じる

彼女の体は、アルコールなしではいられない。酒に溺れる彼女の苦悩する姿に一目惚れしてしまうのが、彼女に殺されるはずの殺し屋役を草刈正雄。
宮崎ますみの教育係を、村井国夫がつとめる。

小水一男の貫禄を感じさせる大人の演出、それをさらに盛りあげる大野雄二が奏でるジャズ…。
血腥い中で綴られる哀しい愛の話を、途中破綻してしまう形で“大人のおとぎ話”に昇華させてた監督の力量に舌を巻いてしまった。

Vシネマとして撮られたが、単館上映になる

監督が猛反対したのが、“Vシネ”という約束で製作したのに、「映画フィルムにはしたくない」という監督としての意向があった。

しかし、配給会社側と製作者側は、“東映”と“東映ビデオ”。会社の方針として、宣伝を兼ねたレイトショーとして上映に踏み切ったものだから、監督としては、Vシネのスタンダードサイズでの撮影と映画のサイズは、映像表現や効果が映画とは違うと食い下がったわけだった。

宮崎ますみの大胆な濡れ場で客寄せし、ヌードのみで話題をさらったVシネマではあるが、中身はたいへん素晴らしい。素晴らしい以外の言葉が見つからない。

採点:★★★★★

 

 

スタッフ

監督
小水一男
原作
大沢在昌
企画
松田仁
企画協力
長濱治
プロデューサー
岡田真

キャスト

作品データ

製作年 1993年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 93分

提供:株式会社キネマ旬報社

いかがでしたか、男の映画2本立て!

どちらも勢いだけで突っ走る映画でした!

今後も最強の“漢”の映画をレビューしていきたいともいます!

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